はちみつと養蜂

はちみつと養蜂

はちみつの魅力

はちみつの魅力

はちみつを一度も口にしたことがない人はいないのではないでしょうか。パンやホットケーキにかけたり、紅茶に入れたり、料理の隠し味にしたりと、とにかくはちみつは、食生活のいろいろ場面で活躍しています。
あの甘いはちみつは、どうやってできるのでしょうか?

はちみつは、ミツバチが花から吸ってきた蜜を集めたものです。西澤養蜂場では純度100パーセントがはちみつの生命線だと考え、集めた蜜を一切加工せずに、そのまま瓶詰めしています。
はちみつは、栄養価がとても高く、昔は薬として用いられていました。良質なはちみつは水分が少ないので、なかなか変質しません。
はちみつには殺菌力があって、たとえば卵焼きに使うと、夏場でも日持ちがします。
また、お米を磨いだあとでスプーン一杯のはちみつを入れると、ご飯がとてもおいしく炊き上がります。はちみつを入れて炊いたご飯は冷えても美味しくいただけます。

はちみつの種類

はちみつの種類

栄養価も高く用途も幅広いはちみつですが、どの花から採取したかによって、味や香り、色などが違うため種類も豊富です。
例えば野草やそばの花から採れるはちみつは、クセが強く少し食べにくいと感じるかもしれません。見た目も黒っぽく、一般に知られているはちみつとは違います。しかし、野草やそばの花は、自然が豊かなところに咲いており、その花から採れるはちみつも栄養価が高いのです。

ひとつの花から採れたはちみつは、他のはちみつと混ぜずに、そのまま瓶詰めするため、花の特徴をそのまま味わっていただけます。
西澤養蜂場では、様々な種類のはちみつを採蜜するため、北は北海道から、南は沖縄まで、ミツバチと共に旅を続けています。

はちみつができるまで

はちみつができるまで

花の蜜がはちみつになるには、ミツバチの力が欠かせません。
まず、花が咲くと花蜜水というものができます。ミツバチが花蜜水を吸って、体の中の袋に溜め巣に戻ります。蜜を集めて帰ってきたミツバチは、唾液と一緒に蜜を巣の中に出して、どんどん溜めていきます。一匹の蜂が集めてくる蜜はそう多くはありませんが、まとまると相当な量になります。
巣の中にはたくさんのミツバチや幼虫が住んでいます。その体熱や運動熱によって、蜜の水分はどんどん蒸発していきます。水分が蒸発すると、密は濃縮されて、やがて十分な甘みを持つようになります。それがはちみつです。
ミツバチは、自分たちで利用するために花の蜜を集めてきます。私たちはミツバチの自然の習性をそのまま使わせてもらい、はちみつ作りをしています。

採蜜の仕組み

採蜜の仕組み

ミツバチの自然の習性に、人の手を加えて採蜜しています。
養蜂は、専用に作られた木の箱の中にミツバチに巣を作ってもらいます。その箱を「巣箱」と言い、巣箱には「巣枠」と呼ばれる枠のついた板が入っています。ひとつの巣箱の中には、全部で6枚から9枚の巣枠が入っています。ミツバチは、この巣枠の上に自分たちの巣を作って、蜜を溜めていきます。
ミツバチが蜜を溜める前の巣枠は、「巣礎(すそ)」と呼ばれます。ミツバチの勢いにもよりますが、ほぼ1日で、この巣礎が蜜でいっぱいになります。蜜が十分に溜まって、はちみつが採取できる状態になった巣枠を「蜜巣(みつす)」と言います。
巣箱から蜜巣を取り出すと、ずっしりと重く、片手では長い時間持つことができないほどです。

採蜜の仕組み

ひとつの蜜巣には、およそ1升(1.8L)のはちみつが溜まっています。これを遠心分離機にかけて、はちみつを搾り出します。

西澤養蜂場では、1年間でおよそ1万枚の蜜巣ができます。ここから、1斗缶で1500本から1600本くらいのはちみつが採れます。
はちみつの基準は、糖度80度以上。この水準を維持するのは実は難しいのですが、糖度が低いはちみつは、水っぽくて、長い保存に耐えれません。高品質のはちみつをお客様にお届けするため、常に基準をクリアする努力を続けています。

ミツバチの巣の仕組み

ミツバチの巣の仕組み

ミツバチの社会は、実に興味深い仕組みになっています。ミツバチの巣の中は、1匹の女王蜂を頂点にした、完全な女系社会です。ひとつの巣に住むミツバチの数は3万匹から4万匹で、花から蜜を集めてくる働き蜂はすべてメスです。
一方、オスの蜂はまったく働きません。卵を産むのは女王蜂のみ、要するにオスは女王蜂に子種を提供するためだけに生きているということになります。
働かないオス蜂は、秋も深まって霜が降りる頃になると徐々に巣の隅の方に追いやられ、食事も与えられなくなります。さらに寒くなると巣の出口まで追い出されます。エサが獲れなくなる冬場は、巣の中の蜂の数が少なければ少ないほどいいので、ミツバチたちはこうやって巣の中の数を調整をしています。
働き蜂の寿命はだいたい40日くらいです。ただし、9月に産まれた蜂はほとんど働かないので、2月か3月くらいまで生きます。働かないだけで、3倍から4倍くらい寿命が長くなるのです。蜂たちは死ぬまで働いて、働き疲れて死んでいきます。

女王蜂とローヤルゼリー

女王蜂とローヤルゼリー

ミツバチの巣は、六角形の小さな部屋がたくさん集まってできています。それぞれの部屋の中には、卵が産みつけられていたり、蜜が溜められていたりします。ミツバチの主食である花粉が溜められている部屋もあります。
花粉を若い蜂が食べて、唾液と一緒に女王蜂の部屋に溜めていきます。これが最高の栄養食と言われるローヤルゼリーです。女王蜂はローヤルゼリーだけを食べ、栄養をたっぷりとって産卵期に1日2000個以上の卵を産みます。

ミツバチの巣の良し悪しは、女王蜂によって決まります。優秀な女王蜂はたくさんの卵を産み、産まれた蜂もよく働くようになります。蜂がよく働けば、それだけ蜜もたくさん集まって、たくさんのはちみつが採れます。
いい巣を作るには、まずはいい女王蜂を育てなければなりません。
病気に強く、生殖力の旺盛な女王蜂を冬の間に育てるのが、養蜂家の重要な仕事のひとつです。ひとつの巣の中には、女王蜂候補が何匹かいるため、様子を見ながら最も優秀だと思われる蜂を最終的に1匹だけ残します。長年の経験が必要となる作業です。

ひとつの巣に女王蜂は1匹しかいりません。ということは、新しい女王蜂が育ってきたら、その蜂は新しい巣を作らなければなりません。
新しい女王蜂が誕生して、新しい巣をつくるためにたくさんの蜂を引き連れて出て行くことを「分蜂(ぶんぽう)」と言います。
分蜂の時に古巣を離れていく蜂は全体の半数にも達するため、養蜂家にとっては大きな損害になります。分蜂をあらかじめ防ぐために、新しい女王蜂が育ってきたらすぐに巣から引き離す必要があります。

女王蜂は、働き蜂から比べると驚くほど長生きします。私たちがこれまで育てた女王蜂は、最長で3年程生き続けました。場合によっては、5年程生きることもあるようです。
女王蜂が死ぬと、女王蜂のもとで成立していたミツバチの社会も死んでしまいます。そのため、女王蜂が死ぬとすぐに新しい女王蜂を人の手で入れなければなりません。